こんばんは、『戸建て投資の解説サイト』不動産投資失敗記の編集部です。
はじめに。
このブログは、戸建て投資をはじめたい!はじめてみたいけど、収支のつくり方が分からない初心者の方向けの記事になります。
所謂5万で買って10万で直して貸すというプロ戸建投資プレイヤーの方は温かい目で見てください。
今日は、千葉県市原市馬立にある戸建を取り上げて解説していきたいと思います。
アットホームでいつも通り新着物件のリサーチをしていたところ千葉で200万の戸建てがでておりました。
内装の写真などはないので勝手に妄想で1年分の家賃を突っ込んで直せる前提で話を進めますが
とりあえずお値段が現金ぽっとだしで買えるプライスでしたので検討していきたいと思います。
本記事の内容
物件概要【戸建投資】
価格:200万円
所在:千葉県市原市馬立(『うまたて』と読む)
交通:小湊鐵道『こみなとてつどう』光風台駅徒歩7分
築年数:1977年(築42年)
間取り:3DK
建物面積:57.40㎡
土地面積:77.25㎡
都市計画:市街化区域
用途地域:第一種低層住居専用地域
道路:北4m道路に接道
駐車場:なし
インフラ:プロパン、浄化槽、庭
コメント:リフォーム履歴不明で、駐車場が無いので募集想定家賃から駐車場費用を差し引いた金額で見ておかないと不安な感じがする。
地域を分析する
市場規模を確認してみよう
市町村名:市原市
人口(人):270,011
人口密度(人/㎢):733
判定:△
コメント:人口の総数は20万都市でとても良い感じなのですが、市原市って何気に広くて市内でも地域差が結構あります。湾岸部のほうは工業が盛んで山岳部は完全農村地域になるので、湾岸に近いフラットなエリアであれば賃貸ニーズは十分あると思われる地域です。
ちなみに今回の光風台は、残念ながら山のほうです。
市原市とは?
Wikiによると、『市原市(いちはらし)は、千葉県中央部に位置する人口約27.1万人の市。千葉県内では柏市に次いで第6位の人口規模である。市原商圏を形成する準商業中心都市[1]。財政力指数が高く、製造品出荷額全国第2位の日本を代表する工業都市。』
人口規模はやはり大きい、湾岸部に工業地域が展開しているので財政も健全で住むには良さそうです。
人口動態は、2000年前後に現在の27万人前後に到達後徐々に逓減傾向にあるものの過疎化の兆候は見られないようなグラフになっています。
賃貸展開エリアとしては、湾岸部に近い市街地でアパートとかやると面白そうだなと思いますね。
利用駅の集客力を分析する
利用駅の概要
駅名:小湊鐵道『光風台駅』徒歩7分
乗車数:319人
駅タイプ:1階建
▶地方駅特有のプレハブタイプ
東京駅までの分数:1時間30分1,970円
▶徒歩大家的不合格
新宿駅まで分数:1時間36分1,970円
▶徒歩大家的不合格
コメント:乗車数は、埼玉の八高線を彷彿とさせる利用数で、見た瞬間涙が止まりませんでした。
もう駄目な水準です、生きているのが不思議なレベルの駅です。
駅での集客はほぼ望めないと思っていいと思います、確実に車を置けるスペースがないと賃貸かなり苦戦する地域とみて間違いないです。
募集家賃を決めよう
周辺の家賃相場をみていくと、投資対象の戸建ては、建物面積は57.4㎡で間取りの3DKとなっている。
スーモで、駅周辺のアパートで戸建てを検索してみた。(専有面積は45㎡~70㎡)
※今回の物件は駐車場が無いのでアパートも競合になると判断した
並べ替えは、「賃料+管理費が安い順」に設定し相場を検討していくことにした。
検索すると6件事例が検索に引っかかった。
17分築3年74,000円47㎡
7分築43年53,000円58㎡
3分築40年63,000円49㎡
2分築45年42,000円65㎡
9分築44年59,000円67㎡
21分築25年70,000円69㎡
ちなみに全ての物件が駐車場付きである
レンジは42,000~74,000円となっている。
コメント:平均が60,167円となっている。
この物件の問題点は駐車場が無いこと(大きなネック)
近隣で駐車場を確保する場合は、大体募集で出ていたのが1台5,000~6,000円ぐらいの金額であった。
築浅であれば7万台で住んでくれそうな人もいそうな相場であるという事は、心強い後押しになる。
しかし、45年の42,000円は安すぎるにしても43年53,000円などの数字があるので、あまり強気に設定しないほうがよさそう。
52,000円設定で駐車場が6,000円とすると、募集家賃は46,000円(52,000円-6,000円=46,000)程度が妥当な気がする。
募集イメージは、52,000募集開始で、最低でも46,000円着地という感じ。
月間46,000円で、年間552,000円の売上アップが見込みる物件と言えそうです。
手取り家賃を計算しよう
(売上)
家賃売上:46,000円
(経費)
管理費:2,760円
支払手数料:880円
固都税:1,754円
火災保険:1,560円
(差引)
収入:39,046円
年間収入:468,558円
購入シミュレーションを作ろう
(取得費)…①
売主希望値:2,000,000円
収入印紙:1,000円
仲介手数料:132,000円
移転登記:80,686円
固都税:21,047円
取得税:66,579円
(修繕費)…②
小修繕:552,000円
※手取り家賃の12か月分
給湯器交換/クロス/洗面台設置
火災報知器:8,640円
(募集関連)…③
仲介手数料:46,000円
火災保険:37,430円
クリーニング:43,050円
(仕入原価)
合計:2,988,433円
利回りを整理しよう
物件価格に対する表面利回り:27.60%
仕入原価に対する表面利回り:18.47%
仕入原価に対する純利回り:15.68%
早期回収の計画で買値を検討してみよう
4年回収で考えると、買値は88万56%の指値である。(築46年)
※現地調査で破損汚損がある場合は、その分指値していく形になります。
5年回収の場合135万円32%指値
▶築47年
6年回収の場合182万円9%指値
▶築48年
7年回収の場合×万円×%指値(満額回答可能)
▶築49年
コメント:すでに築年数が42年とかなり経過していることを考えると、早期リフォーム早期募集でさっさと回収してしまいたい気持ちになる。
4年回収で88万円であるが出し値がそもそもあってないような200万円という数字と駐車場が無いので実需がこないと思えば、思いっきり指してみるのも手の一つかなと思う。
出口次第であるが、今のところやるなら4年回収以外なしという感じである。
出口戦略を検討しよう
更地で売却してみた場合
路線価から割安価格か確認しよう
本物件は、市街化地域なので金融機関の評価的には、問題なさそうにみえる。
路線価を検索してみると、平米15,800円という数字が出てきた。このボロ戸建ての土地面積は77.25㎡なので路線価を乗じて(77.25㎡×15,800円)評価額は、1,220,550円となる。
売主希望金額が2,000,000円なので、売主希望価格のほうが評価額より高い…。
これでは購入した瞬間担保評価マイナスになってしまうので、評価額以下では買いたい気がする。
国土交通省の過去取引事例を確認しよう
国土交通省の『不動産価格取引価格情報検索』のデータを見てみると、3件の物件が出てきた、敷地面積は110~1200㎡以上と幅のある物件の事例が掲載されている。
最安値が平米4,083円、次が5,455円、最高値は、15,385円となっている。
平均値は8,307円となっている、下から2番目の数字を採用すると。
取引価格を平米5,455円と仮定、敷地面積が77.25㎡×5,455円で、売却想定金額は金421,364円となる。
ネット物件情報から更地価格を想定しよう
次に、アットホーム、スーモ、ホームズなどで掲載中の、売り出し中の土地の相場を見ていく。
小湊鉄道『光風台』駅近くの、売りに出ている土地をスーモで検索してみると6件ヒットした。
(本件の坪数は23.37坪)
180万円100㎡坪単価5.9万円
220万円122㎡坪単価5.9万円
680万円253㎡坪単価8.8万円
780万円177㎡坪単価14.5万円
880万円624㎡坪単価4.6万円
2000万円2715㎡坪単価2.4万円
コメント:抜けて高い8.8万円と14.5万円を除外すると、平均値は47,437円/坪になる。
この平均値を採用してみると
坪単47,437円の場合本件土地は23.37坪なので(坪単47,437円×23.37坪)乗じると、解体更地での出口売値は1,108,521円となる。
更地売却する場合の利益計算をしよう
解体費用を計算していく
本件の建物は、57.4㎡で坪に換算すると17.36坪となる、解体費用を坪50,000円で計算すると解体費は、868,175円となる。
売値の1,108,521円から解体費868,175円と売却手数料(販売価格の8%を想定)88,682円を差し引くと、手残りは、151,664円になる(譲渡所得税を加味しない場合)、つまり仕入原価を手残りと同額で進めることができれば、運用期間中の家賃収入はすべて純資産の増加分という成果になる。
仕入原価を151,664円着地で、このボロ戸建てを購入する場合の買値は、▲836,769円である。(赤字になってしまった…)
10年間保有し更地売却する場合の利益を考える
問答無用で10年運用した場合の投資効果をみていくと
満額で購入して10年運用して内2年が空室実質8年分の家賃収入を得た場合、家賃3,748,461円+更地売却手残り151,664=全期間売上3,900,125円となる、そこから仕入原価2,988,433円引くと10年間の粗利が911,692円となる。
粗利911,692÷10年=91,169円(年間実質配当)
期間中の実質年利回りは3.05%となる。
コメント:『10年間僕は最初に購入した戸建を大切に直しながら賃貸を付け続けた、遠方という事もあり土日を費やし、なんとか売り上げをという思いでやってきた。そして10年が経過し建物が壊れ解体をして売却してみたら、驚いた』
これだけ時間と労力を費やし年間9万程度しか純資産が増えていなかったのである。
利回り低すぎる…。
配当が出る別の商品があるので、現金で戸建て投資をしようと考えている人にはそちらを勧めるべきであろう。
収益で転売する場合の利益計算をしよう
この戸建を収益物件として転売する場合、どれぐらい儲かるのか見ていきます。
この物件の築年は、現時点で42年である。
例えば、売主希望価格で購入して7年で初期投資を回収したタイミングで売却する場合、築年数は49年である。
築49年の地方ボロ戸建てオーナーチェンジを楽待ちに掲載して、表面利回り30%で売却できた想定をすると。
月額家賃が46,000円なので年間家賃売上は、552,000円となる、これに表面利回り30%を割り戻すと定価が出てくる、1,840,000円で、販売にかかる諸費用を8%と想定し147,200円を引くと、手残りが、1,692,800円ほどの残る計算になる(譲渡所得税は考えていない数字)
手残りの1,692,800円と同等の仕入れ原価で取得する場合の土地値は、704,367円となる、この金額で購入出来れば賃貸期間中の賃料分が資産の増加分となる。
売主希望金額200万円に対して、買主希望金額70万円指値64%となる。
不動産投資失敗記的【まとめ】
出口を更地としてみた場合は、▲83万円×142%指値
出口を収益としてみた場合は、70万円65%指値
回収ラインを4年として朽ちるまで運用する場合は、
4年回収88万円56%指値
5年回収135万円32%指値
6年回収182万円9%指値
7年回収229万円▲15%指値
コメント:自分の投資基準だと満額投資は不可能で、定量的な数字的なもの以外では未体験の地域で駐車場無の戸建て投資をして賃貸がどれぐらいで付くのかが分からない点が怖い、出来ることなら不動産屋へのヒアリングも含めて確認したいところである。
価格的には、収益転売の70万円でも気持ち高くて50万円ぐらいで譲ってくれるなら取り組みたいと思う物件である。
1か月ぐらい残っていれば指値にお伺いしようと思っている。
本日の結果:希望価格50万円で指値いきましょう。