こんにちは、不動産投資失敗記の編集部です。
本日は、ワンルームマンション投資について検討していきたいと思います。
新築でローンを組んで行うワンルームマンション投資は保険代わりというのは、以前コラムなどでお伝えしました。
今回は現金でワンルームマンションを購入したら儲かるのか?という論点で検証していきたいと思います。
検討していく物件は、みんな大好き楽待ちに掲載されていた大和市の物件です。
築古区分投資家なら、みんな大好きな3点ユニットの16㎡タイプです。
ワンルーム業者の走りの方々が作りまくった日本伝統のワンルームマンションですね。
それでは投資用マンションを購入してみましょう。
本記事の内容
本日の投資用マンション
物件名称:ダイアパレスつきみ野2番館
価格:1,700,000円
交通:東急田園都市線『つきみ野』駅 徒歩11分
築年数:29年
構造:鉄筋コンクリート
専有面積:16.47㎡
間取り:1K
向き:東
階数:2階
総戸数15戸
管理費:9,700円
修繕積立金:8,090円
解説:戸数が15世帯と少なめで修繕積立金の溜まり具合が気になるところです。
駅距離は11分とギリギリ徒歩圏内10分圏内を押しまくるワンルーム業界的にはNG物件ですが、実際は賃貸付くのでしょう…。
東急リバブルのHPに概要説明が掲載されていましたので引用しておきます。
『ダイアパレスつきみ野弐番館は、1991年8月に竣工した鉄筋コンクリート造りの3階建ての低層マンションです。明るめのブラウンのモザイクタイル貼りの外観で、縁取りにあしらわれたホワイトのラインがお洒落なアクセントを添えています。東側と南側が生活道路に面した2方向接道の、通風や採光にも恵まれた立地です。エントランスへのアプローチは南側に設けられ、マンション名のエンブレムが掲げられたコンクリートの打ちっ放しのモダンなポーチが洗練された空間を演出しています。オートロックを設置してセキュリティ対策をし、また集合郵便ポストはダイヤルロック式で、プライバシーにも配慮しています。ダイアパレスつきみ野弐番館の総住戸数は15戸で、分譲時の間取りはワンルームタイプ、面積帯は16.21㎡~17.65㎡を中心としています。1フロアに5戸のレイアウトで、各フロアへのアクセスは階段でのアプローチとなっています。また共用廊下はアクセス時に外部からの視線が届きにくい内廊下タイプで安心です。ダイアパレスつきみ野弐番館は、東急田園都市線つきみ野駅から徒歩11分です。徒歩2分程には大きなショッピングモールがあるので、日常の買い物も便利にでき、快適に暮らせます。』
※引用先『東急リバブル』



いつも東急リバブルのマンションの説明欄には感心しますがとても勉強になります。ショッピングセンター2分は魅力的ですね。
建物の管理状況の確認をしよう
本件は戸数15戸のマンションである。
現在の修繕積立金は月額8,090円となっている。
分譲マンションの場合、段階的に修繕積立金が増額になる方式が多く
当初の修繕積立金は低く設定されていた可能性が高い
例えばトータルの期間慣らして現在の半額位の値段設定だった場合を想定する
月額8,090円を割る2をして月額4,045円が29年積み上げられていると想定した場合
新築から現在までの積立金総額は
金21,114,900円となる。
大規模修繕に必要な費用を仮に戸当たり100万円とした場合
必要額が15,000,000円
残金が6,114,900円となる
ギリギリ安全に運営していく資金は溜まっているようである。
自主管理に切り替えて管理費を少しでも安くしたい気がしないでもない。
家賃設定を決めよう
マンションは、1棟当たりの供給戸数も多いため、仲介業者各社が作ったまとめサイトで過去事例を探ることが出来る。
今回も、登録不要で概ね概要を見ることが出来る『マンションマーケット』というサイトを利用することにした。
ダイアパレスつきみ野2番館の査定価格や相場が出ている。
2020年3月18日時点でのデータを参考に記載してみると
相場価格:17~20万円/㎡
参考査定価格:270万円~280万円
▶(2階、1K、約16㎡)
売買履歴:60件
賃貸相場:3万円~3.9万円
今回の物件はオーナーチェンジで家賃が3万円で付いているので
3万円の家賃収入をベースに見ていく。
(ちなみに相場的に3万は最安値でがんばれば3.9万も夢ではない)
手取り家賃を検討してみる
(収入)
家賃売上:30,000円
(経費)
賃貸管理費:1,800円
支払手数料:880円
固定資産税:1,963円
火災保険:917円
管理費:9,700円
修繕積立金:8,090円
(差引)
手取り家賃:6,650円
経費率:77.83%
コメント:売り上げが少なすぎて固定費の管理費と修繕積立金によって圧迫されている。
経費率77%の物件をもって何が出来るのだろうかと疑問符が沸く。
手取り家賃が6,650円、年間で79,800円が儲けになるわけであるが
250万弱投資して年間配当が8万ぐらいで再販もどうか怪しい
回収できるか毎日ドキドキの日々があなたを待っている
実際に購入してみる
(売買契約決済)
土地建物売買金額:1,700,000円
印紙代金:1,000円
仲介手数料:122,100円
移転保存登記:113,008円
固都税:23,560円(想定)
不動産取得税:115,062円(想定)
(リフォーム)
修繕費用:180,000円
▶家賃の6か月分を想定
火災報知器:8,640円
管理費修積:106,740円
▶修繕期間6カ月を想定
(募集費)
手数料:120,000円
火災保険:22,000円
クリーニング:30,000円
(合計)
仕入原価:2,542,111円
解説:
設定はAD(広告費)を3か月分積んで賃貸を付ける想定である
本件はオーナチェンジであるが、空室想定で事業計画書は見ておきたい
利回りを整理する
物件価格に対する表面利回り:21.18%
仕入原価に対する表面利回り:14.16%
仕入原価に対する純利回り:3.14%
健美屋に掲載されている資料では表面21%と爆益をもたらす力を感じるが
業者さんに進められるがままに購入したら実質利回りが3%でしたという悲しい現実が胸に突き刺さる結果となった。
出口はどうするのか?
この投資用マンションは、築年数が約29年と築古である。
回収期間が約31年掛かるとして、投資元本を回収できた頃には
立派な築60年プレイヤーという感じになる。
投資用マンションとして再販する場合
楽待ちで表面30%売却できた場合を想定する
10年間保有して、空室期間が2年あった場合のシミュレーションをしてみると
定価:1,200,000
経費:96,000
粗利:1,104,000円
現在の定価で購入して、期間中の賃料を純資産の増加とする場合
今回の投資用マンションの買値は261,889円となる。
この価格で購入出来れば期間中の家賃収入はプラスとなる
10年保有して売却した場合の儲け
定価で購入し、上記再販価格で売れた場合の儲けを見ていく
定価:1,200,000
経費:96,000
粗利:1,104,000円
家賃粗利:638,398円(全期間)
総粗利:1,742,398円
仕入原価:2,542,111円
差引:▲799,713円
年間配当:▲79,971円
年間配当利回り:▲4.59%
御覧の通り10年程度の保有では、純資産を年間4.6%ほど棄損し続ける計画になっている。もはやこれは投資用マンションではなく損します用マンションなのである。
マンション投資のまとめ
回収までに30年以上かかる時点で投資対象としてはNGになるのであるが
一応最後にまとめとしてみておくことにする
収益出口:26万円85%指値
回収期間による指値は以下のようになる
4年回収:▲52万円131%指値
5年回収:▲44万円126%指値
6年回収:▲36万円121%指値
7年回収:▲28万円117%指値
つまり引き取り価格か、処分費用を払ってくれたら買い取ってもいいよ?
というレベルの物件になってしまっているのである
ちなみに、この物件の正しい持ち方が分かる方が居れば説明してほしい
特に中古のワンルームを販売している人でこのワンルームの正しい持ち方
売り方があればぜひご一報いただきたい
結論:儲からないのでゴメンネ。