こんばんは、不動産投資失敗記の編集部です。
毎日毎日ボロ戸建検索にいそしんでいる私ですが、そろそろアパートも欲しくなってまいりました。融資周りの話は、区分マンションと政策金融公庫ぐらいの知識しかなく、信金さんトークなどはできないので、300万前後の賃貸併用住宅型ボロ戸建を狙ってアパートと言い張ろうと思っています。
プラスして店舗物件の取り扱いもしてみたいなぁと思いながらテナントがスナックだとか中華屋とかの店舗併用住宅も巡回しております。
変わり種の検討フローと結果も含めて機会があれば公開してみたいと思っていますので引き続きよろしくご愛読お願いします(*’ω’*)
では、本日の検討案件に移りましょう。
今日は久しぶりの神奈川物件です、フラフラ探しておりましたら、ひな壇ながら駐車場1台確保している戸建を発見しました、擁壁を所有しているような形で建築されているため、実需、投資通して人気はなさそうな気配がします。
売れてなくて、ある程度の値段が出せそうなら指値検討もアリなんじゃなかろうか、から検討をスタートさせました。
本記事の内容
ボロ戸建のスペックとは、神奈川県泰野市物件概要とは?
価格:480万円
所在:神奈川県秦野(『はだの』と読みます)市北矢名
交通:小田急小田原線『東海大学前』徒歩18分
築年数:1973年(築46年)
間取り:2LDK
建物面積:74.08㎡
土地面積:197.08㎡
都市計画:市街化区域
用途地域:一種低層
道路:東側4m
駐車場:1台
インフラ:上水道、下水道、集中LPG
条件:一番の懸念は本件が崖地の上(ひな壇)に建築されていることだ、長期的に擁壁の所有者である本件所有者が擁壁の管理を行わなければいけない、また擁壁内をくりぬく様に駐車場が設置されているがこの管理の所有者責任で行う必要がある、直近の事件だとマンション敷地内の崖が土砂崩れを起こし学生が土砂の下敷きになる、痛ましい事件が起きたばかりである。擁壁物件を購入する際は、いつも以上に施設賠償という言葉を気にするようにしたほうがよい。という物件なのでおそらく人気が無く値下がりするのでは無かろうかという淡い下心で検討を開始した。(あと理由としては、市街化地域で土地が広かったというのもある)
神奈川県秦野市(はだの)とは?
Wikiによると、神奈川県中西部に位置する市である。というシンプルな説明がされている、平塚とか厚木市からさらに西に進むと秦野市はある、人口規模は164,961人で人口密度は1590人/k㎡となっている。人口規模は10万人を超えているか市としての敷地面積が広いのか密度はあまり調子が良くない数字であるように見えるが、秦野市は山間の市で宅地に利用できそうな土地は市の半分程度で駅周辺に住宅地が密集しているのであれば密度はあまりに考えなくてもよさそうな気がする。
人口ベースで考えると一つのボーダーである10万人都市であるため、問題ないように思える。
東海大学前駅の賃貸集客の実力とは?
東海大学前駅は、神奈川県秦野市南矢名にある、小田急電鉄小田原線の駅である。駅名になっている通り東海大学区湘南キャンパスの最寄り駅となっている。乗降者数は、20,743名ほどの駅集客があり駅的には何ら問題なさそうだ。ちなみに小田急線全70駅中30位の規模を誇っている。この駅は1927年(昭和2年)に大根駅(おおね)として開業し、1987年に東海大学前駅に解消された。この東海大学前駅という名称は、駅を回収する際に東海大学が資金提供したことによりその名前が付けられた。東海大学湘南キャンパスの他、東海大学医療技術短期大学などがある。学生の通学ニーズで乗車数が多いとうい状態な香りがする。実需層が住みたくて集まり乗車数を上げている訳でなく大学の集客力の可能性が高い。が、なまじ乗車数があるので、数年で利便性が落ちるということもなさそうである。
ボロ戸建ての売買価格は路線価より割安か?
本物件は、市街化地域になるので、そこだけ見れば銀行評価は問題なさそうであるが、おそらく崖地とひな壇立地の為、評価減が行われる立地であろう。
道路付けは、4m幅員の道路に接道しているが接道面が擁壁になっている。
路線価を検索してみると、概ね㎡あたり54,000円という評価の数字になっていました、本件の土地面積は197.08㎡なので計算は、197.08㎡×54,000円で総額が10,642,320円となります。
売主さんの希望金額が480万となっているので、路線価のほうが売買金額より高くなります。
路線価よりも土地値ベースが高いというのは購入にプラス材料だと思いますが、今回の崖地とひな壇という特殊立地のため実勢価格を重視して検討を進めたいと思います。
ボロ戸建ての家賃は、幾らぐらいか?
周辺の家賃相場を見ていきましょう、本件の建物面積は74.08㎡で2LDKとなっています。
戸建て2LDKですが74.08㎡で出来れば3DKもしくは3LDKのほうが印象いい面積規模となっています。
スーモで、東海大学駅の物件、駅20分以内で、戸建てを検索していきます。
今回の物件は、駐車場がありますので、戸建のみの種別で検索をしていきたいと思います。
いつも通り「賃料+管理費が安い順」で並べ替えていきます。
56件事例が出てきました。
築47年駅11分55,000円112.7㎡
築45年駅13分55,000円66㎡
築28年駅17分65,000円72.72㎡
築49年駅12分70,000円39.66㎡
築33年駅13分75,000円96.8㎡
築40年駅14分78,000円78.08㎡
築8年駅12分85,000円47.19㎡
築8年駅14分98,000円92.73㎡
築18年駅20分110,000円100㎡
レンジを見ると55,000~110,000円ぐらいですね、下から数えてすぐに7万超える相場なので、6.9万円で提供できれば競争力ありそうなきがします。賃貸人にとっては階段上がって登ればナイスビューの戸建に住めるわけですからポイントは高い、ただあまり手を加えず貸し出す前提で、控えめの7万切るぐらいの設定であれば、借りてくれる人がいる気がします。学生向け複数人可ハウスにしてしまってもいいかもですね。
購入出来たら7.4万で募集開始ボーダーが6.9万円ほどでしょうか。
月間6.9万円で、年間82.8万円の年収アップにつながる物件となります。
手取り家賃収入を計算してみよう
(売上)
家賃売上:69,000円
(経費)
管理費:4,140円
支払手数料:880円
固都税:4,782円
火災保険:1,560円
(差引)
収入:57,638円
年間収入:691,658円
ボロ物件を購入してみる
(取得費)…①
売主希望値:4,800,000円
収入印紙:1,000円
仲介手数料:224,400円
移転登記:274,926円
固都税:57,387円
取得税:357,939円
(修繕費)…②
小修繕:345,829円
※手取り家賃の6か月分
火災報知器:8,640円
(募集関連)…③
仲介手数料:69,000円
火災保険:37,430円
クリーニング:55,560円
(総費用)
合計:6,232,112円
ボロ戸建ての利回りを整理してみる
物件価格に対する表面利回り:17.25%
仕入原価に対する表面利回り:13.29%
仕入原価に対する純利回り:11.10%
この物件を考察してみる
本件は、崖の上のポニョ系住宅である、接道面から擁壁が立ち上がっており、本件敷地の裏にもさらに上の敷地の擁壁が存在しているひな壇型の地形である。こういった場合擁壁の管理責任を長期に負う必要がある物件である。擁壁が壊れ再建築で高額負担などリスク盛りだくさんの物件である。
販売価格が安いのは、その影響を加味してなのかと思うが、単純に路線価ベースだとはるかに物件価格を超える。朽ちるまで持ったとして、更地で販売できるかどうか、ちょっと自信がない。出口については、収益で転売がベターな気がする。
擁壁の下から重機を楊重して、解体するとコストも高くなるし、新築する場合は既存擁壁の安全性を確保する必要があるなど問題が生じる…。
賃貸ニーズはありそうなので、今のところ収益で転売が有力出口先であるが、一応いつも通り取引価格なども下で確認していこう。
買値480万の物件だが、4年回収と考えた場合の買値は…
超短期4年回収で考えると、買値は150万、68.75%の指値である。
※現地調査で破損汚損があれば、その分の再生費用が掛かるので、この120万からマイナスされることになります。
5年回収の場合210万円56.25%指値
6年回収の場合280万円41.67%指値
7年回収の場合350万円27.08%指値
本件は、築46年の物件なので例えば4年回収でも築50年、7年後は53年である。そのためさっさと回収して、キャッシュマシーンになってほしいという年代なのであるが…短期回収だと売値との乖離がかなり大きい。
土地の実勢価格を調べる(更地で売却出口)
国土交通省の『不動産価格取引価格情報検索』のデータを見てみると、13件の物件が出てきた、敷地面積は50~690㎡以上と幅のある物件の事例が掲載されている。
最安値が平米21,000円、次が36,000円、最高値でも140,000円程度となっている。
結構ばらつきはあるものの平均を取ると9万円前後、安いのはこの住所地が高低差がある地域で宅地ごとの特殊性が異なるためと思われる、崖地の評価はもちろん低くなる傾向にあるから、9万というのは厳しいのかもしれない。間取って平米45,000円と仮定すると、本件敷地面積が197.08㎡に45,000円を乗じた8,868,600円が売値となる。
次に現在売り出し中の土地の相場を見ていく。
小田急小田原線の東海大学前駅20分圏内で土地の値段をスーモで検索してみると16件ヒットした。
(本件の坪数は59.61坪)
170万円174.62㎡坪単3.3万円(雛壇、駐車場なし)
400万円182.38㎡坪単7.3万円(雛壇、駐車場なし)
480万円132.25㎡坪単12万円(雛壇、駐車場あり)
500万円117.4㎡坪単価14.1万円(崖上、フラット)
600万円178.44㎡坪単11.2万円(フラット)
680万円158.4㎡坪単価14.2万円(雛壇、駐車場あり)
というデータが出てきた。
ひな壇前提であるが駐車場スペースがあるかないかがポイントのようで、駐車場なしが坪単価10万以下、駐車スペースアリであれば10万~12万程度、フラットで14万ぐらいのイメージになる。
本件は駐車スペースありなので、坪10万程度は狙えるのではないかと思われる。
坪10万の場合本件土地は59.61坪なのでこれに10万を乗じた5,916,100円が更地での想定価格となる。
本件の建物は、74.08㎡で坪に換算すると16.90坪となる、解体費用を坪65,000円(崖地なので単価高くなる想定)で計算すると1,456,598円となる。
売値の3,265,850円から解体費1,456,598円と売却手数料(販売価格の8%を想定)476,934円を差し引くと、手残りが4,028,138円になる(譲渡所得税を加味しない場合)つまり仕入原価を手残りと同じ金額で抑えることが出来るのなら、運用期間中の家賃収入はすべて純資産の増加分という形になる。
仕入原価を4,028,138円に抑えて購入する場合の価格は、2,800,000円である。
回収期間は6年で当初投資分は回収図れる買値である。
問答無用で10年運用した場合の投資効果を見ていくと
満額で購入して10年運用して内2年が空室実質8年分の家賃収入を得た場合、5,533,262円+更地売却粗利4,028,138円=総収入9,561,400円となる
総収入から仕入原価の6,232,112を差し引くと利益が3,329,289円となる。
利益を3,329,289÷10年=332,929円(年間の実質配当利回り)
これを仕入原価で割り実質利回りを出すと年間利回り5.34%となる。
年間配当5%の商品に600万円突っ込んだイメージになる、ノーレバレッジで現金を投入する方式の投資であればこの利回りは面白みも何もないという感想になる。
投資用戸建て物件として売却を出口として検討する
次に築古収益物件として売却は、どれぐらい儲かるのか見ていきたいと思う。
現在物件の築年は46年である。
例えば、売主希望価格で購入して9年で回収したあと売ろうと思ったときに、築年数は55年である。
築55年のオーナーチェンジ戸建てを楽待ちに掲載して、目を引く利回りはどれぐらいだろうと考えると…20%で出して25%で指値が入り、売ります…という感じではないだろうか25%回収であればDIY系大家さんなら引っ掛かる可能性もある。(崖地の判断が難しいが…)
月額69,000円なので年間家賃売上は、828,000円となる、これに表面利回り25%を割り戻すと定価が出てくる、3,312,000円となる。販売にかかる諸費用を8%と想定して264,960円を定価から差し引くと、手残りが3,047,040円ほどの残る計算になる(譲渡所得税は考えていない数字)
手残りの金額と同額の仕入れ原価で取得する場合の土地値は、1,700,000円で購入出来れば賃貸期間中の賃料分が資産の増加分となる。
売主希望金額480万円に対して、買主希望金額170万円指値62.50%となる。
このボロ物件のまとめ
まとめてみると
出口を更地としてみた場合は、280万円
出口を収益としてみた場合は、170万円
回収ラインを4年として朽ちるまで運用する場合は、4年回収150万円、6年280万円
今回は売主さんの売却理由次第では170万指値、上限280万円という感じであるが、上物が古いので200万~250万レンジで購入できるなら取り組んでもいいかと思う、いずれにしても擁壁の調査は必須という感じ。
家賃相場は強いので、自己DIYが長期的に出来るようになる前提で気合購入するのもありという気もしなくもない。いずれにしても擁壁、ひな壇物件なので売却までしばらくかかるものと思われる(びっくり初心者大家さんが現れて満額でさらっていかなければという条件付きであるが…)