こんばんは、『戸建て投資の解説サイト』不動産投資失敗記の編集部です。
今日は、栃木県の鹿沼市の物件を検討していきたいと思います、実はこの物件を検討する前に鹿沼市で駅18分、土地が200㎡付き市街化地域280万円という物件があり、これはと土地転売で速攻行けるでしょと思いながらも、スタートダッシュに乗り遅れまして、本日ページを開けてみると、すでに落ちていました…。
しかしこのエリアに歪みと可能性を感じたので似たような物件を探しまして、一度、具体的に検討をしてみることにしたのです。
それでは、検討を始めていきたいと思います。
本記事の内容
物件概要
価格:250万円
所在:栃木県鹿沼市府中町(『かぬまし』と読む)
交通:JR日光線『鹿沼』駅徒歩18分
築年数:1977年(築42年)
間取り:5DK
建物面積:109.30㎡
土地面積:141.26㎡
都市計画:市街化区域
用途地域:調査中
道路:東3m公道・北3m公道
駐車場:2台あり
インフラ:調査中
コメント:インフラ関係は不明であるが、写真確認のところ室内の状態は、そんなに悪くない感じがした、風呂とキッチンは20年プレイヤーであるが、新築後にリニューアルされた形跡があり40年前のものという感じはしない、トイレは不明であるが現在取り寄せ中。
多少の残置物の処分とクリーニングで十分貸し出しには耐えられそうである。不安点は建物面積が広く、平屋部分もあり屋根面積が大きく将来補修の可能性が高いという所。完全に朽ちたときに更地での販売も可能な状態で購入するのが望ましいと思われる。
地域を分析する
マーケットボリュームは良いか?
人口(人):95,662
人口密度(人/㎢):195
判定:△
コメント:人口は9万人を抱える都市である、人口密度は低いものの、エリア的に山間の谷間に町が形成されているため、町及び駅周辺に人口が密集する傾向がある地域だと思われる。
前述の駅周辺や住宅街であれば、密度も、上がるだろうし、一般的な田舎ボロ戸建て投資と変わらず特に問題は無いと思われる。(車は2台必須)
鹿沼市とは?
Wikiによると、栃木県中部に位置する市であり、人口は、県内第7位で敷地規模は3位となっている。やはり敷地は広いようだ、鹿沼市は、ユネスコ無形文化遺産に登録された伝統行事鹿沼今宮神社祭の屋台行事(鹿沼秋まつり)が有名である。
宇都宮のベッドタウンという位置づけらしい、宇都宮への通勤率は15.6%とのこと、あとはアートの町として売り出し中とのことである。目立った産業はなく、郊外型のショッピングセンターが幅を利かせ、既存市街地は低迷、ドーナツ化現象真っ盛りという感じである。
(ドーナツ化現象、中心市街地の人口が減少し、郊外の人口が増加数現象)
最寄り駅の集客力を分析する
最寄り駅の概要
乗車数:2,106人
駅タイプ:ミニ戸建て型
東京駅までの分数:2時間6分2,980円▶徒歩大家的不合格
新宿駅まで分数:2時間36分2,233円▶徒歩大家的不合格
コメント:乗車数は地方駅としては、まずまずという感じであるが。あまり利用されていない感じは否めない、せめて10分圏内ならワンチャン通勤需要が…というニーズの引き方もできるであろうが、おそらくほぼ車通勤がシェアを占める状態と想定される。
最寄り駅の特徴
この駅の歴史は古く、明治23年1890年開業である、乗車数は2011年に2,012人を記録してから100人前後動いているが2,000人を切らない程度で推移している。
増えもしないし減りもしない、そんな駅であるが、集客もある程度期待できそうであるが、本件は自転車距離なので…。基本的には、車前提で考えておいたほうが良さそうである。
募集家賃を決めよう
周辺の家賃相場をみていくと、今回のボロ戸建ては、建物面積は109.3㎡で間取りの5DKとなっている。
スーモで、鹿沼駅徒歩20分圏内で戸建てを検索してみた。
並べ替えは、「賃料+管理費が安い順」に設定し相場を検討していくことにした。
検索すると12件事例が検索に引っかかった。
12分築41年39,000円45.36㎡
18分築56年40,000円48.02㎡
17分築39年45,000円49.96㎡
13分築41年48,000円45.36㎡
16分築20年55,000円57.80㎡
6分築19年70,000円114.26㎡
12分築1年83,000円78.66㎡
2分築5年90,000円89.43㎡
レンジは39,000~90,000円となっている。
コメント:39,000円から90,000円まで幅広く募集がかかっている、新築であれば8万9万取れる相場であるといえる。結構重要で築古で狭くても半値は取れているのでニーズは比較的ありそうである。
今回にている物件は7万円の築19年は建物似ている規模である。
その下が、16分築20年は規模半分であるが5万台キープ、5万台で57.80㎡より倍ぐらい広くて車が2台止められて設備は、普通に使えるレベルであれば、選択肢に入ってきそうだ。
募集イメージは、59,000募集開始で、最低でも54,000円着地という感じ。
月間54,000円で、年間648,000円の年商アップが見込みる物件と言えそうです。
手取り家賃を計算しよう
(売上)
家賃売上:54,000円
(経費)
管理費:3,240円
支払手数料:880円
固都税:3,911円
火災保険:2,339円
(差引)
収入:43,630円
年間収入:523,560円
購入シミュレーションを作ろう
(取得費)…①
売主希望値:2,500,000円
収入印紙:1,000円
仲介手数料:148,500円
移転登記:161,918円
固都税:46,928円
取得税:188,426円
(修繕費)…②
小修繕:324,000円
※手取り家賃の6か月分
火災報知器:8,640円
(募集関連)…③
仲介手数料:54,000円
火災保険:56,145円
クリーニング:81,975円
(仕入原価)
合計:3,571,532円
戸建投資の利回りを整理しよう
物件価格に対する表面利回り:25.92%
仕入原価に対する表面利回り:18.14%
仕入原価に対する純利回り:14.66%
コメント:このボロ戸建ての築年数を考えると、もう少し早期に改修したいと思う。
せめて原価純利回り20%以上はキープしないと、今後補修などが発生した時に遠方でカバーがしきれない。賃貸マーケットとしては、荒らされていない感じがして良い気がする。
8万9万円の家賃を払っても住める世帯が存在することは非常に地域的な強みになると感じる、戸建ての新築みると飯田グループで16,000,000円前後他で2000~3000万クラスも見受けられた、35年ローンで月返済が4.2万円程度で固都税とか保険とかいれるとプラス1万円として5.2万円以上の家賃を払うなら新築戸建てを購入したほうがお得になる。
短期回収の場合の買値を算出する
4年回収で考えると、買値は102万、59.09%の指値である。
※現地調査で破損汚損がある場合は、その分指値していく形になります。
5年回収の場合154万円38.15%指値
6年回収の場合206万円17.21%指値
7年回収の場合259万円-3.74%指値
コメント:4年回収の場合だと売主希望価格の2,500,000円に対して59%という大き目の指値になるが、元々の販売価格が引くため比較的5年回収6年回収まで許容できれば指値幅はそれほど大きくない。出口戦略を考えた上で最終的な儲けが十分出ればよいが…。
築年数も43年とそれなりに経過していることを考えると、出来るだけ早く回収したい…。
更地売却した場合の利益を計算
売主希望価格は路線価より割安か?
本物件は、市街化地域なので金融機関の評価的には、恐らく問題はないかと思われる。
路線価を検索してみると、平米31,000円という数字が出てきた。このボロ戸建ての土地面積は141.26㎡なので路線価を乗じて(141.26㎡×31,000円)評価額は、4,379,060円となる、売主希望金額が2,500,000円なので、評価額の売主希望価格よりも大分高そうだ。
評価額が売値より出ているので、この時点では、プラス評価という感じである。
更地で売った時の売値を考えよう
国土交通省のデータで土地の取引事例を調べる
国土交通省の『不動産価格取引価格情報検索』のデータを見てみると、4件の物件が出てきた、敷地面積は30~920㎡以上と幅のある物件の事例が掲載されている。
最安値が平米19,355円、次が41,304円、最高値は、54,286円となっている。
ばらつきが大きいが、平均を取ると42,070円となっている、下から2番目辺りが平均値に近く安全圏だと思われる。
取引価格を平米41,304円と仮定すると、敷地面積が141.26㎡×41,304円で、売却想定金額は、5,834,652円となる。
土地の実勢販売価格を調べる
次に、現在売り出し中の土地の相場を見ていく。
今回は、JR日光線『鹿沼』駅徒歩20分以内の住所で、売りに出ている土地をスーモで検索してみると20件ヒットした。
(本件の坪数は42.73坪)
300万円135.60㎡坪単7.3万円(上物つき)
380万円126.24㎡坪単9.9万円
450万円231.86㎡坪単6.4万円
480万円99.86㎡坪単15.8万円
495万円293.29㎡坪単5.5万円
500万円217.03㎡坪単7.6万円(変形)
590万円216.69㎡坪単9.0万円
コメント:平均値は88,238円であるが、値段にかなりばらつきがあり20件も在庫があることから、最悪の想定をし、即売れるというイメージを考えると平均よりも、一段階安い金額を設定しておくべきだろう。最安値である55,793円を採用して計算をすることにする。
坪単55,793円の場合本件土地は42.73坪なので(坪単55,793円×42.73坪)乗じると、解体更地での出口売値は2,384,115円となる。
更地の売値と儲けを考えよう
本件の建物は、109.3㎡で坪に換算すると33.06坪となる、解体費用を坪50,000円で計算すると解体費は、1,653,163円となる。
売値の2,384,115円から解体費1,653,163円と売却手数料(販売価格の8%を想定)190,729円を差し引くと、手残りは、540,223円になる(譲渡所得税を加味しない場合)、つまり仕入原価を手残りと同額で進めることができれば、運用期間中の家賃収入はすべて純資産の増加分という成果になる。
仕入原価を540,223円着地で、このボロ戸建てを購入する場合の買値は、-531,309円である。(赤字になってしまった…)
10年保有後更地で売却する場合の最終利益シミュレーション
問答無用で10年運用した場合の投資効果をみていくと
満額で購入して10年運用して内2年が空室実質8年分の家賃収入を得た場合、家賃4,188,478円+更地売却手残り540,223=全期間売上4,728,701円となる、そこから仕入原価3,571,532円引くと10年間の粗利が1,157,169円となる。
粗利1,157,169÷10年=115,717円(年間実質配当)
期間中の実質年利回りは3.24%となる。
コメント:10年保有して最終的な利回りが3.24%になる、この配当利回りだと株式投資で固めの銘柄で配当が大きいところに投資したほうがよっぽど効率的で現金化も簡単そうである。今回の売主希望価格は一見250万円と安価のように見えるが更地売却を出口とする場合満額で購入するのは投資的に、あまり良い数字ではなさそうである。
戸建てを収益物件のまま転売する場合
ボロ戸建を収益物件として転売する場合、どれぐらい儲かるのか見ていきます。
この物件の築年は、現時点で43年である。
例えば、売主希望価格で購入して7年で初期投資を回収したタイミングで売却する場合、築年数は50年である。
築50年の地方ボロ戸建てオーナーチェンジを楽待ちに掲載して、目を引く利回りはどれぐらいだろうと考えると、最低でも30%はほしい、35%であれば具体的に検討する感じである。
月額家賃が54,000円なので年間家賃売上は、648,000円となる、これに表面利回り35%を割り戻すと定価が出てくる、1,851,429円で、販売にかかる諸費用を8%と想定し148,114円を引くと、手残りが、1,703,314円ほどの残る計算になる(譲渡所得税は考えていない数字)
手残りの1,703,314円と同等の仕入れ原価で取得する場合の土地値は、631,782円となる、この金額で購入出来れば賃貸期間中の賃料分が資産の増加分となる。
売主希望金額250万円に対して、買主希望金額63万円指値74.73%となる。
不動産投資は失敗か?戸建て投資のまとめ
出口を更地としてみた場合は、×万円×%指値(赤字の為記載なし)
出口を収益としてみた場合は、63万円74.73%指値
回収ラインを4年として朽ちるまで運用する場合は、
4年回収102万円59.09%指値
5年回収154万円38.15%指値
6年回収206万円17.21%指値
7年回収×万円×%指値(満額購入可能)
コメント:途中まで価格の割に家賃も高めを狙え、土地値も出そうな気配があったが、厳し目にシミュレーションすると中々満額で購入するのは厳しい投資になりそうである。ただ、4年で仕入原価を回収して、ひたすら朽ちるまで回し続けるという選択肢が取れる面では優秀な気がする、近くに住んでおりメンテナンスが可能であれば購入するのはありなのかもしれない…と思ったが。やはり徒歩専門の大家の私としては、移動時間がどうしても気になってしまう…。
こちらも、また地元の不動産会社と連係が取れれば進めていきたい案件である…。
食いつきが余りよさそうではないので、見張っていれば100万ぐらい指値聞いてくれるのかもしれないが…。こちらも1週間~2週間程度ウォッチして動きがなければ値段相談を行いたいと思う。