こんばんは、不動産投資失敗記の編集部です。
今日も、ネット界隈を次は、と探していますが。激安即決系のボロ戸建は、競合も多く買えておりませんので、もっぱら500万~400万レンジの戸建に上から指値を入れ続ける作業を週末やっている私です。
現地に足を運んで物件をみるのもいいのですが、もう見ずに勝手から考えるというエイヤー方式で購入してもいいのではないかと妄想しています。(絶対に見てから調査してから買いますが…)
今日は春日部市に、内装リフォームなどの手間がなさそうな物件を発見したので検討してみようと思います。買って何もせず貸してしまえるのがベストですよね。
では検討していきたいと思います。
本記事の内容
埼玉県春日部市備後東のボロ戸建物件のスペックとは?
価格:430万円
所在:埼玉県春日部市備後東
交通:東武伊勢崎線「一ノ割」徒歩12分
築年数:1973年(築46年)
間取り:3DK
建物面積:55.89㎡
土地面積:69.66㎡
都市計画:市街化区域
用途地域:一種低層
道路:西4m私道、接道2m
駐車場:なし
インフラ:上水道、下水道、プロパンガス
条件:4mの私道に2m接道で、駐車場がないものの春日部市で最寄り駅から12分という徒歩圏内で物件の管理をしに行ける環境が徒歩系大家にはとても響く、この物件の特徴は内装がほぼフルリフォームされており、内装スペックを考えると平成物件と勝負できるぐらいの内容になっている。建物が小さいのでもし外壁トラブルがあったとしても最小限の費用で補修できるのではないかと思われる。
埼玉県春日部市とは?
Wikiによると、埼玉県東部に位置する人口約23万人の都市で人口は、さいたま市、川口市、川越市、所沢市、越谷市、草加市に次ぐ県内7位のだそうな。
人口密度を見ると3,482人/k㎡と800人/k㎡の自治体よりは遥かにマシである。
勝手なイメージだけど、春日部住んで通勤してきている人がいるので東京のベッドタウン的立ち位置なのかなぁと勝手に理解している。
(通勤は超大変って毎日文句言っておりますが…(笑))
賃貸としては、外房よりは全然ましで、少し頑張れば賃貸経営問題なく出来るでしょうという地域かと思います。
一ノ割(いちのわり)駅の賃貸集客の実力とは?
一ノ割駅は、埼玉県春日部市一ノ割にある、東部鉄道伊勢崎線の駅で、東武スカイツリーラインの愛称区間に含まれているそうな。
駅舎は階高が高めの平屋タイプの駅であるが大型で整備されている印象を受ける。
こちらの駅も歴史は古く1926年(大正15年)開業となっている、登りは、新越谷・北千住・東京スカイツリー・浅草まで、下りは春日部、東武動物公園方面となっている。
駅の乗降者数は1日18,440人と乗車ベースで一日9,000人以上が利用しており10年前と比べても減少がほぼ見られない優秀な駅である。
本物件はこの駅から12分であるが十分駅利用ニーズを引き出せる地域と思われるのでプラス評価できると思う。
ちなみに新宿から一ノ割まで最短で1時間9分料金は787円で片道向かうことが出来る、都内に住んでいる遠隔大家的にも片道1時間ちょっとなので妥協範囲である。
ボロ戸建ての売買価格は路線価より割安か?
本物件は、市街化地域になるので銀行評価はおそらく問題ないのかと思われる。
道路付けは、4m私道2m接道と少々弱いが私道の持ち分も付いてくるので利用については問題ないものと考えられる。
路線価を検索してみると、概ね㎡あたり75,000円という評価の数字になっていました、本件の土地面積は69.66㎡なので69.66㎡×75,000円で総額が5,224,500円となります。
売主さんの希望金額が430万となっているので、路線価のほうが売買金額より高くなります。
路線価よりも土地値ベースが高いというのは購入にプラス材料だと思います。
ボロ戸建ての家賃は、幾らぐらいか?
周辺の家賃相場を見ていきましょう、本件の建物面積は55.89㎡で3DKとなっています。
戸建て3DKですが55㎡で3DKだと逆に狭い印象があります、近年のスペックだとこの広さは、おそらく2LDKで作ったほうが、人気出そうな気がします。
スーモで、一ノ割駅の物件で駅20分以内、45~60㎡以上のアパートと戸建てを検索していきます。
今回の物件は、駐車場がありませんので、同等レベルのアパートの部屋と競合する可能性が高いので比較対象に入れておく必要があると思います。
いつも通り「賃料+管理費が安い順」で並べ替えていきます。
457件事例が出てきました。
築39年駅14分40,000円47.86㎡
築46年駅10分40,000円55㎡
築48年駅12分40,000円46.78㎡
築45年駅16分45,000円52.65㎡
築27年駅19分46,000円52㎡
築33年駅9分47,000円51.2㎡
築31年駅15分47,000円45.5㎡
築31年駅16分48,000円47.86㎡
築37年駅7分49,000円57.96㎡
レンジを見ると40,000~50,000円ぐらいですね、5万円超えなければ客付け超苦戦という感じもないのかなぁと思いますが、同じような戸建でスペックも同じようなのが4.9万ぐらいで募集されていると競合も多く差別化できなければ高い家賃設定だと決まりにくそうな気配があります。
購入出来たら5.2万で募集開始ボーダーが4.5万円ほどでしょうか。
月間4.5万円で、年間54万円の年収アップにつながる物件となります。
手取り家賃収入を計算してみよう
(売上)
家賃売上:45,000円
(経費)
管理費:2,700円
支払手数料:880円
固都税:2,829円
火災保険:1,560円
(差引)
収入:37,031円
年間収入:444,378円
ボロ物件を購入してみる
(取得費)…①
売主希望値:4,300,000円
収入印紙:1,000円
仲介手数料:207,900円
移転登記:160,240円
固都税:33,947円
取得税:185,910円
(修繕費)…②
火災報知器:8,640円
(募集関連)…③
仲介手数料:45,000円
火災保険:37,430円
クリーニング:41,918円
(総費用)
合計:5,021,984円
ボロ戸建ての利回りを整理してみる
物件価格に対する表面利回り:12.56%
仕入原価に対する表面利回り:10.75%
仕入原価に対する純利回り:8.85%
この物件を考察してみる
本件は、駐車場なしのボロ戸建てで、築年数が46年と古い、実需にしても投資にしても再販するなら現金客を狙わないといけない築年数になっている。
しかし内装はリフォーム済みであり、写真で確認する限り手間なくポッと貸出できそうなレベルである。経年劣化からくる外壁周りの補修などの可能性はあるもの、内装フルリフォーム済みは魅力的である。
ただ、需要があるエリア故競合が多く、差別化する戦略を取れなければ45,000円前後の家賃で貸出するしかない気がする。
今回、売主様の希望金額の430万で購入すると回収期間が11年半かかる、空室が1年ぐらいあったとして現在の築年数が築46年なので11年半後回収した後の物件は、築年57年で回収ということになる。
築57年の出口を考えれば、更地にして売却という選択肢を持っておきたいところである。
買値430万、4年回収と考えた場合の買値は…
超短期4年回収で考えると、買値は120万、72.09%の指値である。
※現地調査で破損汚損があれば、その分の再生費用が掛かるので、この120万からマイナスされることになります。
5年回収の場合160万円62.79%指値
6年回収の場合200万円53.49%指値
7年回収の場合240万円44.19%指値
設備は数年前にリフォーム済みであるが、駐車場なしで周りに競合物件もあるので現在の価格で大家希望の初心者が買う以外は満額だと厳しいだろうと思う。実需については、アットホーム調べだと地域で一番安い金額になっておりお気に入り登録もおおいのでパッと決まってしまうとも思われるが、低価格帯に駐車場がないタイプの戸建が固まっており、決め手に欠ける感じなのかもしれない。
土地の実勢価格を調べる(更地で売却出口)
国土交通省の『不動産価格取引価格情報検索』のデータを見てみると、4件の物件が出てきた、敷地面積は100~165㎡以上と幅のある物件の事例が掲載されている。
最安値が平米20,000円、次が100,000円、最高値でも120,000円程度となっている。
おそらく2万が特異点で、覗いて平均値で考えると平米110,000円ほどになる。
本物件は、69.66㎡なので例えば110,000円を掛けると7,662,600円となる。路線価の評価額や現在の売値と比べても高い金額になっていることが分かる。
実需としては評価が高いが、賃貸的には競合が多く家賃が伸びないというのは皮肉である。
次に東武伊勢崎線の一ノ割駅20分圏内で土地の値段をスーモで検索してみると33件ヒットした。
(本件の坪数は21.07坪)
坪9.6万69.46㎡
坪15.2万80.6㎡
坪18.9万79㎡
坪19.1万104.05㎡
坪22.8万94.41㎡
というデータが出てきた。
あまり小さいサイズは人気が無いのか…。
一番上の9.6万は安いと思うので、相場で言うと17万前後で規模小さいのがマイナス材料として少し低めの155,000円ぐらいで取引できたと仮定すると
21.07坪×15.5万円は3,265,850円である。
土地が更地にした状態で坪15.5万円にて売れた場合は3,265,850円となる。
※なんだか評価額と実勢価格に乖離がありすぎる気がします、歪んでいる気がしますね。
本件の建物は、55.89㎡で坪に換算すると16.90坪となる、解体費用を坪50,000円で計算すると845,336円になるが、道路も狭いので100万ぐらいで見ておくことにする。
売値の3,265,850円から解体費1,000,000円と売却手数料(販売価格の8%を想定)261,295円を差し引くと、手残りが2,004,889円になる(譲渡所得税を加味しない場合)つまり仕入原価2,004,889円で抑えられれば、運用期間中の家賃収入はすべて純資産の増加分という形になる。
仕入原価2,004,889円に抑えて購入する場合の価格は、1,400,000円である。
回収期間は4.5年で当初投資分は回収が見込まれる。
例えば朽ち果てるまで10年運用して内2年が空室実質8年分の家賃収入を得た場合、3,555,022円+更地で売却粗利が2,004,889円=5,559,910円が総収入となる
そこから仕入原価の5,021,984を差し引くと5,559,910円―5,021,984円=537,926円となる。
537,926円÷10年=53,793円(年間の実質配当利回り)
これを仕入原価で割り実質利回りを出すと年間利回り1.07%となる。
500万で、みずほ銀行株をコツコツ買いに行っていたほうがまだ割の良い投資である。
投資用戸建て物件として売却を出口として検討する
では、築古収益物件として売却は、どうだろう。
現在物件の築年は46年である。
例えば、売主希望価格で購入して11.5年で回収したあと売ろうと思ったときに、築年数は57年である。
築57年のオーナーチェンジ戸建てを楽待ちに掲載して、目を引く利回りはどれぐらいだろうと考えると…、おそらく25~30%ぐらいで、うまく乗っかって25%前後ぐらいで売れる想定でシミュレーションしていく。
月額45,000円なので年間家賃売上は、540,000円となる、これに表面利回り25%を割り戻すと定価が出てくる、2,160,000円となる。販売にかかる諸費用を8%と想定して172,800円を定価から差し引くと、手残りが1,987,200円ほどの残る計算になる(譲渡所得税は考えていない数字)
出口の着地が1,987,200円なので、仕入れ原価も同じ1,987,200円で購入出来れば11.5年後もトントンで賃貸期間中の賃料分が資産の増加分となる。
仕入原価1,987,200円で購入しようとすると売買金額が1,300,000円になる。
売主希望金額430万円に対して、買主希望金額130万円指値69.77%となる。
このボロ物件のまとめ
まとめてみると
出口を更地としてみた場合は、140万円
出口を収益としてみた場合は、130万円
回収ラインを4年として朽ちるまで運用する場合は、4年回収120万円、5年160万円
希望金額を鑑みると投資用で持つには結構厳しい価格帯であろう、家賃設定をもう少し上に見て調整できれば、多少買値の改善余地もあるけれども、おそらく200万半ばぐらいが限界値なので、あまり無理しないで万が一売れ残っていたら指値という感じがいいか…という感じですね。
子々孫々直して残し続けるスタイルの大家以外は満額回答してはいけない物件といえそうです。